# 自作キーボード組み立てに必要な工具
自作キーボードを組み立てるためには、さまざまな工具が必要になります。
数は多いですが、必要性がわかってくると納得できるし、キーボード以外にも活躍する場面はあるので、新しい世界への第一歩と思い、出費を覚悟しましょう。
これから作るものを無駄にしないためにも、ちゃんとした道具を揃えた方が後悔しないと思います。
ちゃんとしたモノを揃えると大体1万円前後はかかります。
対象のキーボードキットのビルドガイドを読みつつ、必要な工具を揃えましょう。
# はんだ付けに必要なもの
大半の自作キーボードキットは、はんだ付けが必要になります。まずははんだ付けに必要な工具について説明します。
# ハンダゴテ
まずは一番大事なハンダゴテになります。その中でも温度調整ができるハンダゴテにしてください。温度調整機能のないハンダゴテは温度が上がりすぎてしまうためコテ先が酸化してしまい、結果的にうまく部品をくっつけることができなくなってしまいます。ここが一番大事なので妥協しないでください。
白光という会社のFX600というハンダゴテがとてもよく使われています。これを購入しておけば後悔はしないと思います。
自作キーボード界隈でもデファクトスタンダードになっていると言っても過言ではないと思います。
はんだ付けする時の温度は340-350度くらいが良いようです。360度以上は基本的にはNGです。
(自分は目盛りが合わせやすいので320度でよく作業してます)
# コテ台
安全性や作業性を考えると、ハンダゴテと合わせて同じ会社のこちらのコテ台を用意すると良いでしょう。
クリーニングワイヤーがついてくるので、これでコテ先を掃除することができます。
スポンジ+水で掃除するタイプもあるのですが、個人的には温度が下がりにくいこちらの方が気に入っています。
# コテ先
ハンダゴテに初めからついてくるコテ先はB型と言われる円錐状のものが多く、熱が伝えづらかったりと使い勝手があまりよくないので交換したいところです。
色々な形状があるのですが、D型(マイナスドライバーのような形)やC型(円柱を斜めに切ったもの)が良いと思います。
個人的には、汎用性や表面実装部品をはんだ付けする機会があるかもと考えると、下記の1.6D型をオススメします。
使ってみて合わなかったらC型など他のタイプも試してみることをおすすめします。
# ハンダ
ハンダは最近は鉛フリーハンダなどもありますが、初心者が使うのは スズ60%/鉛40% という割合の共晶ハンダが融点が低く扱いやすいのでオススメです。太さは普通の自作キーボードキットであれば0.8mmのモノが幅広く使えて良いと思います。
※鉛は体に良くないのではんだ付けのあとは石鹸での手洗いとうがいをしましょう。
# ハンダ吸い取り線
はんだ付けはどうしても失敗することがあるので、補修するためにハンダ吸い取り線があると安心です。
吸い取りたいハンダの上に置いて、その上からハンダゴテで温めて吸い取ります。
# フラックス
これをつけると、表面洗浄をしてくれたり、ボソボソになったハンダを表面張力の低下により良い感じにしてくれたり、酸化を防いでくれたりと何かとはんだ付けをしやすくしてくれます。うまく接合してくれない時に使うと不思議とうまくいったりするので、入手しておくと安心です。
# そのほかの工具
# ニッパー
スルーホールタイプのダイオードの足をカットするなど、何かと必要になります。切断したリード線の飛散防止クリップ付があると、思わぬ事故を防げるのでオススメです。
# ピンセット
細かい部品を取り付けたり、固定したりするのによく使います。こちらも色々タイプがありますが、先が曲がったこのタイプがあれば色々対応できると思います。
# マスキングテープ
ダイオードなどの部品を固定しておくのに使います。(手頃な商品がなかったですが10巻もいらないです……が、まああっても困らないので)
# 精密ドライバー(M2用)
自作キーボードキットではM2サイズのネジがよく使われるので、M2用の精密ドライバーが必要なケースが多いです。対象のキーボードキットのネジサイズを確認して用意しましょう。(Claw44, bat43, wings42, owl8はM2のネジのみ使用しています)
# あった方が良いもの
# 作業マット
高温のハンダゴテを扱うので、耐熱の作業用マットがあると安心です。(安いところのは中国から送られてきたりするので到着時期に注意)
# キーキャップ&キースイッチ 引き抜き工具
キーキャップやソケットに差し込んであるキースイッチを抜くための工具です。キツくハマっていると手で抜くのはキツいので持っておいた方が良いです。
キースイッチ・キーキャッププラー | Daily Craft Keyboard (opens new window)
# テスター
想定通りに動かない場合、見た目でおかしい箇所がわからないことがあります。導通(電気的にある地点とある地点がつながっているか)を確かめられれば良いことがほとんどなので、小型の安めのものでも十分です。何かあった時に相談すると、テスターで確認できますか?と言われることが多いです。
# フラックスクリーナー
フラックスは良いことが多いですが、不完全な状態だと変に導通してしまったり、つけすぎるとベタベタが残ったりするのでクリーナーがあると役に立ちます。
# キムワイプ
毛羽立ちにくい頑丈なティッシュのようなものです。あると何かと便利です。
フラックスクリーナーを拭き取るのに使ったりします。
# カプトンテープ
電気を絶縁するためのテープです。
拡張プレートなどショートの危険性がある部分などにつけておくと安心です。
# はんだ付けの本
はんだ付けがうまくなる方法は正しい知識をつけることだと思います。
こちらの本はとてもわかりやすいので、はんだ付け前でも、はんだ付けを体験した後でもレベルアップにつながると思います。
とてもオススメです。